こんにちは。
陶芸が大好きで、これまでいろんな陶芸教室に通った経験があり、
現在は自宅で七輪陶芸を楽しんでいる、きみのやと申します。
七輪陶芸を初めてみると、
毎回これでもか!!っていうぐらいにいろいろな課題が出てきます。
成型から乾燥素焼きまで、長い時間をかけて作った作品が、
本焼きでおじゃんになるのはよくあることで、
実はわたしもたくさんの失敗を繰り返してきました。
この記事ではそんな七輪陶芸で起きる失敗例と、その原因・対策を紹介します。
これから七輪陶芸を始めたい人、
今七輪陶芸にチャレンジしていてその方法に悩んでいる人に、
ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
失敗は成功のもとよ!
七輪陶芸の失敗例① ヒビが入る、割れる
七輪陶芸の失敗で一番よく起こるのが、ヒビと割れです。
たとえば、
↓本焼きの最終段階、急激な温度上昇で入ったひび。
↓同じく急激な温度上昇で入ったひび。
↓急激な温度上昇と、七輪の中で動かしすぎて起きた割れ。
↓焼成後に水で急冷したときにおきた欠け。
こんな感じですね、、>_<
これらの原因はほとんどすべて、急激な温度変化によるものです。
七輪陶芸では、火をおこしてから焼き上がりまでの1時間から2時間の間に、
炭を足し、送風口をあけたり閉じたりして、ドライヤーで風を送って、
常に火力を調整しながら目指す焼成温度までもっていくわけですが、
これがとっても難しいんです。
なぜなら、
七輪陶芸には、急激な温度変化を起こす要因がたくさんあるから。
【温度変化を起こす、主な要因】
- 炭の量
- 送風のタイミングと強さ
- 炭を追加するタイミングとその量。
中でも送風口の開け方とドライヤーの当て方は、ダイレクトに温度変化を引き起こします。
さらに、いくつもの作品を焼こうとすると、
炭の中に入れる時に順番待ちみたいなことになるので、
その間、作品を脇へよけておくことになり、この時に温度が下がってしまいます。
↑これは明らかに多過ぎです。
後で泣きを見ることになりました、、。
どうも人間は火を見るとちょっとテンションあがるというか、
冷静さを失ってしまうみたいです。
失敗のほとんどは本焼きの後半。
「さ、いよいよクライマックス!! 温度上げるぞー!!」と、
炭を足したりドライヤー送風をMAXにする、そのタイミングが一番重要で、
まだ除熱が足りていないところに急に火力を上げてしまうと、
ひび、割れが起きてしまうようです。
ひび・割れを防ぐ対策
①余熱はゆっくり時間をかける
必ず遠火から始め、少しづつ火の近くに持っていきます。
送風口も最初は閉めておき、様子を見ながら少しづつ開けます。
ドライヤーを使うのは30分ぐらい熱してから。
最初は40センチほど離したところから始め、10分おきに10センチずつ近づけるなど、
時間をかけて火力を上げていきます。
七輪の上は熱が逃げないように、炭で覆うか、菓子缶のフタで多います。
いくつか同時に焼く時は、できるだけ七輪のフチに置いて、温度が下がらないようにします。
また、七輪の上にもうひとつ七輪を重ねると、熱が逃げにくくなって、
温度が一定に保てます。
↑これは一般的な七輪に、練炭用の七輪を逆さにしてかぶせたもの。
かなり熱が逃げにくくなりました。
(上の部分はのこぎりで切って蓋になるようにしています)
②触り過ぎない
焼いている最中は、火の当たりを均等にしようと、火バサミで作品を触りたくなりますが、
熱さと火バサミの使いづらさもあって、思い通りに動かせないものです。
変に転がったりすると割れの原因になるので、必要以上にいじくり回さないようにしましょう。
また、触ると、七輪内の温度が急に下がる原因にもなりますので、気をつけてください。
できるだけ七輪内の温度を一定に保つように、触り過ぎないことも大事です。
③焼いた後もゆっくり冷ます
焼いた後は炭の近くに置くなどして、徐々に冷ますようにします。
まだ熱い作品を水で洗うと、割れたり、接着部分が取れることがあります。
私はこれで、ダイジョーブくんの耳や足をいくつも無くしました。
焦らず、炭が消えるまでそのままにしておくぐらい、ゆっくりと冷ましてください。
焦らないことがなにより大事です!
七輪陶芸の失敗例②作品が汚れる
次に悩ましい失敗が、作品が汚れるということです。
炭がはぜて、作品に付き、こんなことになります!!
なぜこうなるのか、その原因はいくつかあります。
- 灰が舞う。
- 炭が湿っていてはぜる。
- 炭を急に熱っしたためはぜる。など。
そもそも炭にはいろんな種類のものがあります。
私は実際にいくつかの炭で焼き比べしてみましたが、それでわかったことは、
炭によって温度もはぜ方も全然違う!!ということでした。
備長炭に、ナラ炭、BBQ用のマングローブ炭。
それぞれに特徴があるのですが、七輪陶芸に向くのは火付きが良くて高温になるBBQ用のマングローブ炭です。
ただ、はぜる理由は炭の種類ではなくて、
炭が湿気を含んでいる!!ことが大きな原因のようです。
湿気を含んでいる炭を、高温の炎で焼く。これがはぜるいちばんの理由ですね。
汚れを防ぐ対策
①炭を使う前に、天日干ししておく。
炭はお天気の良い日に箱から出して干し、しっかり乾かしておきましょう。
②焼成時に炭を追加する時は、あらかじめ火をつけて温めておいた炭を使う。
七輪で焼成している横で、鍋などに、火のついた炭と追加用の新しい炭を入れてあらかじめ温めておきます。徐々に温まることで水分がぬけて、はぜにくくなります。
まとめ:焦る気持ちがいちばんの原因、ゆっくり時間をかけて焼きましょう
ひびや割れ、汚れについての原因と対策を紹介してきましたが、
ほとんどの失敗は、焦る気持ちが引き起こしていることがわかります。
せっかく焼成までたどりついた作品です。
「早く焼きたい」「急いで完成させたい」そんな気持ちをぐっとこらえて、
時間をかけて温度を上げて、
時間をかけて炭の準備をする。
まずはここのところを、がんばってみてください!
お読みいただきありがとうございました。
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